本学教員によるエナジードリンクを習慣的に摂取する医療?福祉系大学生のストレスなどの特性に関する研究成果が、日本薬学会の英文誌BPB Reportsに掲載されました。

2021年12月20日

エナジードリンク(ED)は、カフェインを含む清涼飲料水の一種で、近年、若者を中心に世界的に飲用されています。しかし、青少年のED過剰摂取に伴う健康被害等が指摘されており、わが国でもED飲用者によるカフェイン中毒死亡例が報告されています。海外ではED飲用者の特性(性別や身体的?精神的特徴)に関する研究報告がありますが、わが国における研究報告は殆ど無く、特に医療従事者を目指す医療?福祉系大学生におけるED飲用者の特性に関する調査報告は全くありません。

本学薬学科の林 雅彦教授らは、医療?福祉系大学に所属する1249名の学生(1年生から4年生)を対象として、ED摂取が習慣化している学生がもつ12の特性を分析し、ED摂取の習慣化を特徴付ける7つの特性(性別、カフェイン入りコーラの愛飲、飲酒の頻度、強いストレスの自覚、日中の強い眠気の経験、体力に関する自信、EDにカフェインが入っていることの認識)を認めました。この7つの特性から、主成分分析の技法を用いて、ED摂取が習慣化している医療?福祉系大学生の特徴を分析した結果、エナジードリンク摂取が習慣化している学生の特徴は、①強いストレスを感じていて日中の強い眠気を経験している男子学生、②強いストレスを感じているが日中の強い眠気はない男子学生、③強いストレスを感じていてアルコールを摂取したいと思っている女子学生、の3グループに分類できることが分かりました。

この研究成果から、ED摂取の習慣化の背景には、学生が日頃から強いストレスを受けていることと密接に関係することが示唆されました。

本研究には、薬学科?榎屋友幸准教授、臨床工学科?東英一教授、薬学科?林 雅彦教授が参画しました。

掲載論文:
Enokiya T, Azuma E, Hayashi M. Characteristics of Japanese Medical and Healthcare University Students with Habitual Consumption of Energy Drinks: Relationship with Perceived Stress. (2021) BPB Reports 4: 193-197.

-副学長(大学院?研究担当)鈴木宏治-