2月9日(木)の第16回薬学セミナーでは、本学薬学科の医薬品開発学研究室の中山浩伸教授が「カンジダ酵?のストレス応答が示す真菌症治療戦略」のタイトルで発表し、続いて、同じく本学の薬剤?製剤学分野 平井一行助教が「非結核性抗酸菌の検出方法の開発」というタイトルで発表しました。
中山教授は、真菌であるカンジダ酵母のストレス応答に着目してこれまで研究を行っています。中山教授には、まず真菌や真菌が引き起こす感染症について、分かりやすく解説して頂きました。カンジタ酵母が宿主体内で増殖できなくする要素を探求することで、カンジダ酵母が引き起こす病気の治療薬の開発のヒントが期待できます。中山教授は、鉄の欠乏がカンジダ酵母の増殖を止めるのに有効であることを見出しており、その影響について詳しく説明して頂きました。
続いて、平井助教には、非結核性抗酸菌の検出について説明して頂きました。平井助教は、自ら非結核抗酸菌の検出方法を開発しており、日常空間でのデータを示すことで、その有効性を示しました。特に、水道蛇口や製氷機からの非結核性抗酸菌の検出結果は、常に水道とその周囲の設備を清潔に保つ必要があるという危機意識を持つのに十分なインパクトがありました。 実際に、病気を起こした抗酸菌の検出にも役立っており今後の進展が期待できます。
今回の発表では、感染症とその予防の知識が得られました。薬学の知識が高められ、大変有意義な時間を過ごせました。お二人の先生方にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
詳細につきましては、添付の講演要旨やスライドをご参照ください。
-薬学部 薬学科 准教授 田代 竜-