2月11日(日)13時30分から、千代崎キャンパスにて医療福祉学科 医療福祉学専攻?臨床心理学専攻主催の市民公開講座を開催しました(附属こころのクリニック?附属こころの相談センター共催)。今回は、「総合心療センターひなが」に勤務する児童精神科医の山田智子先生に「発達障害への素朴な疑問に答えます」というテーマでご講演をいただきました。3連休の中日でしたが、約90名の市民の皆さまにご参加いただきました。
発達障害は、自閉スペクトラム症、注意欠如?多動症、限局性学習症などを含む広範な概念ですが、それぞれに特徴があります。今回の講座では、各障害の特徴や診断のポイント、診断を受けるメリットやデメリット、服薬の効果や副作用、周囲はどのようなサポートや対応をすればよいのかなどを、分かりやすく例を挙げてお話しいただきました。
例えば、自閉スペクトラム症をもつ子がかんしゃくを起こした場合、ケガをしないように注意しながらも、「いつものこと」とおさまるまで静観することを勧められました。同じような感情的な爆発は注意欠如?多動症の子にも見られますが、「僕をそっとしておいて」というサインだそうです。私たち周囲の人間は、どうしてもなだめたり感情的に反応してしまったりします。これはほんの一例ですが、山田先生のお言葉には発達障害がある子への理解を通して、その周囲の人たちの心を支援する視点が満ちあふれていました。
講演後は市民の皆さまから質問が幾つも挙がり、終了後も多くの方が山田先生に話を聞きに行かれており、発達障害が社会的にも関心の高いテーマであることがうかがわれました。発達障害についてのご相談は、本学の附属こころのクリニックや附属こころの相談センターでも多く寄せられています。相談に携わる私たちも、市民の皆さまへより一層の貢献ができるよう日々努めていきたいと改めて感じました。
ご参加いただいた市民の皆さま、素晴らしいお話をしていただいた山田先生、ありがとうございました。