東京2020パラリンピック英国スイミングチームが、ロボットスーツHALの装着体験を通して学生と交流しました

2020年01月27日

東京2020パラリンピックに向けて、1月7日から鈴鹿市の県営スポーツガーデンで事前キャンプを実施している英国水泳代表チーム26名(選手19名、スタッフ7名)が1月22日(水)?23日(木)、本学白子キャンパス内の鈴鹿ロボケアセンターを訪問し、自立用支援ロボットスーツHALの装着体験を通して理学療法学科3年生21名および看護学科3年生2名と交流しました。

本学の豊田長康学長(22日)や鈴鹿ロボケアセンターの安永好宏社長(23日)から歓迎挨拶の後、ロボットスーツ3種類のタイプ(下肢に装着し歩行をサポート、関節に装着し動作をサポート、腰に装着し体幹を引き起こす)に合わせ、チームおよび学生は3グループに分かれ、ロボケアセンタースタッフが選手に装置を装着、学生はその補助をしました。学生のフォローにリハビリテーション学科教員が、通訳には看護学科教員がそれぞれ加わりました。

ロボットスーツは体を動かそうとする時の脳や体の信号を装置が読み取って動くという仕組みです。関節タイプを装着した選手は、不自由な左腕が動かせるようになった様子に感激のあまり思わず涙ぐみ、一緒にいた参加者も共に涙する感動の一幕がありました。また、車いすの選手は下肢タイプを装着、皆が見守る中、歩行器を支えにしながら最初はぎこちない動きでしたが繰り返すうちにみるみる歩行は上達し、室内を何度も往復して会場は感動の拍手に包まれました。「両足が不自由になった事故以来、初めて歩きました。英国まで歩きたいくらいです。今日は事故後で一番素晴らしい日になりました」と喜びをかみしめていました。

装着体験を通してチームと学生の距離がぐっと近くなったところで質疑応答の交流会になり、「英国でのリハビリテーションや看護の学習はどのようなものか」「大舞台でプレッシャーに負けることなく力を発揮できるには」など、学生は真剣に思い思いの質問を選手に投げかけていました。なかにはチームから「ボーイフレンドはいるの」と微笑ましい質問も飛び、時間を忘れてしまうほど盛り上がりました。

その後、お互いに記念品の贈呈が行われました。23日はサプライズプレゼントとして選手全員がサインしたチームシャツが本学に贈呈され、代表で通訳を担当した大西和子看護学部長が袖を通し、全員で記念撮影をして交流会は終了となりました。

参加した学生の感想を紹介します。
「障がいを持っているとは思えないくらい、みんな常に前向きで輝いている。夢を持ち、その夢に向かって励む大切さを彼らから学びました。」
「体を動かすこと、スポーツが人に与える影響力の大きさに改めて感動しました。」
「ロボットスーツの装着で、その人の人生を一変してしまう感激感動を与えるのだと感じました。私達も、患者さんの思いに寄り添い、感激感動を伝えられる理学療法士や看護師になりたいです。」

今回の2日間の交流を通して、参加者は国境を越えた人と人とのつながりの大切さを学んだのではないでしょうか。それは近い将来、医療現場で活躍する学生達の原動力になっていくものと信じています。

最後に、英国スイミングチームがこの事前キャンプでの練習を通して力を磨き上げ、パラリンピックで存分に力を発揮されますよう応援しています。

サイバーダイン社 ロボットスーツHALについて

―研究振興課―