第11回薬学セミナーを開催しました

2022年07月28日

7月14日(木)の第11回薬学セミナーでは、大西志保 助教「炎症関連大腸がんのアスピリンによる化学予防 - モデルマウスにおける研究 -」および大倉一人 教授「レンサ球菌が産生するペプチド毒素 Streptolysin S」についてご講演いただきました。

大西先生には、アスピリンの抗炎症作用が炎症関連大腸がんに及ぼす効果についてご発表いただきました。低用量アスピリンを用いることで、炎症関連で発生するシクロオキシゲナーゼ COX2 や誘導型一酸化窒素合成酵素 iNOS を抑制することによるがん予防効果について分かりやすく説明してくださり、大腸がん化学予防における今後の期待を感じることができました。

大倉先生には、A 群レンサ球菌が産生する代表的な溶血毒素の一つとストレプトリジンS (SLS)の研究についてお話いただきました。レンサ球菌の研究の歴史に触れながら、レンサ球菌の毒素SLSについて、産生に関わる遺伝子群(sagA,B)の解析により現在加速度的に研究が進捗していること、SLSの構造内に複数のヘテロ環構造を持ち、その変化についておよびそれが安定性や毒性に寄与していることなどの最新の研究を非常に分かりやすくご講演いただきました。

両先生ともに、薬学の歴史において切っても切り離せない重要な薬物であるアスピリンや細菌であるレンサ球菌の最新の研究を分かりやすく説明してくださり、大変勉強になりました。本日のセミナー内容の詳細につきましては、添付の講演要旨やスライドをご参照ください。

-薬学部薬学科 助教 森本正大-

■薬学科 大西志保 助教
薬学セミナー要旨
スライド

■薬学科 大倉一人 教授
薬学セミナー要旨
スライド