6月15日(木)の第19回薬学セミナーでは、平本恵一 先生のご演題「なんだこれは!の生物学」と赤塚結子 先生のご演題「容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)の働き ~細胞容積調節だけじゃない」の2演題についてご講演いただきました。
平本先生には、様々な動物を用いた研究についてご講演していただきました。昆虫の変態にNOや活性酸素が与える影響についての研究、カエルの色素変換に関する研究、鶏の発生にカルニチンが与える影響、他、鮭の母川回帰に関する研究などの数多くの研究について分かりやすくご講演いただき、動物実験の妙を感じる興味深い研究を拝聴することができました。
赤塚先生には、VSOR(容積感受性外向整流性アニオンチャネル)の研究についてお話いただきました。細胞は正常容積を保つため、低浸透圧刺激後に、このVSORを通ってCl-イオンを流出させますが、その正体分子としてつい最近になって同定されたLRRC8タンパク質について、分かりやすく説明していただきました。また、これらの細胞容積変化に関係する分子としてACTN4やABCF2などのタンパク質類についての研究結果とそれらのVSORとの相互作用を解明する新たな研究展望をご講演いただき、大変興味深く拝聴させていだきました。
両先生ともに、生物学そして薬学においても重要な研究対象である細胞の容積調節メカニズムや様々な動物種における発生~変態までの変化に関する最新の研究を分かりやすく説明してくださり、大変勉強になりました。本日のセミナー内容の詳細につきましては、添付の講演要旨やスライドをご参照ください。
-薬学部 薬学科 助教 森本正大-