今日、高度医療機器の使用頻度は高く、それが無ければ治療が成り立たないほど重要な存在になっています。糖尿病を基礎疾患にもつ患者を含め、約30万人の透析治療に使われている『人工透析装置』、心疾患の手術で使われている『人工心肺装置』などです。臨床工学技士は医師の指示のもと、これらの医療機器の操作?保守点検を行い、以前は助けることができなかった腎不全、小児の先天性心疾患、呼吸器疾患などの重い病気の患者さまの生命を救っています。これは50年前には考えられなかったことであり、ますます医療現場での臨床工学技士のニーズが高まっていると言えます。本学科は、全国に先駆け開学された4年制大学の臨床工学技士養成施設として、「医療」と「工学」をバランスよく学べるカリキュラムと経験豊富なスタッフをそろえ、充実した医療機器を利用した実践的な実習を行える体制を整えています。将来医療現場において、指導的立場で活躍できる臨床工学技士を養成します。
臨床工学技士
無限の可能性が広がる医療機器を駆使し、
病院エンジニアとして治療を支えます。
2023年度
97.3%
79.5%
伊藤 亜弥さん
三重県立桑名高等学校出身
医用工学部
臨床工学科 4年
実際に現場で働くことを想定した実習で
一つひとつの作業の大切さを実感。
周りに頼られる臨床工学技士をめざします。私は親戚に医療従事者が多いため、自然と医療の分野に興味を持つようになり、その中でも得意な物理を活かせる臨床工学技士の仕事に憧れて、入学を決めました。この大学は自宅からも近く、通いやすいことも魅力でした。授業では、外部の病院に勤務している方が講師として来てくださったり、現場で勤務経験がある先生方から教わることができるので、実際の医療現場の話を聞くことができて、とても面白いです。
実習では、人工心肺と透析について学びました。人工心肺の実習では、先生がトラブルを設定して、その対応について学びました。機械のことや患者さまの症状について、しっかりと理解していないとトラブルが起きたときにすぐに対応をすることができないため、事前の準備?理解の大切さと自分の未熟さを実感しました。透析では、回路内の気泡を抜くプライミングという作業の練習をしました。気泡が残っていると患者さまが危険なので、プライミングの大切さと迅速に対応することの大切さを学びました。
臨床工学科では、ほとんどの学生が3年次までに第2種ME技術実力検定に合格することをめざします。通常の授業内で対策があったり、夏休みに特別講義が実施されたり、先生方のバックアップがとても助かりました。国家試験も同様にサポートしていただけるので、毎年高い合格率であることも、この環境のおかげだと思っています。
将来は、患者さま?医師?医療従事者全ての方に信頼される臨床工学技士になることをめざしています。そのために、自分から周りをよく見て、変化を見逃さずに積極的にコミュニケーションをとって信頼を得たいと思います。
AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、ロボット…これらの最新技術を最大限活用し、新たな未来社会を実現する「Society5.0」のプロジェクトが国を挙げて進められています。この最新技術は、少子高齢化が進む中、国が抱える問題解決に繋がるものとして、保健?医療?福祉を含め、あらゆる分野で大きな期待が寄せられています。この社会の変化に対応し、医療?福祉の総合大学のメリットを最大限活用して誕生するのが医療健康データサイエンス学科です。本学科では、保健?医療?福祉に関するデータ(数値?文字?画像?音声など)の意味を理解し、それらを医療健康データとして統合し、分析する能力を身につけます。具体的には、医療健康データ環境を構築し、AIなど最新の手法を駆使してデータを分析し、様々な課題解決のためのプロジェクトのマネジメントができるようになります。
■ データサイエンス学専攻とは
この専攻では、情報技術(IT)、統計解析、医療健康学を基礎とした医療健康データサイエンティストになることを目指します。授業は、情報技術(IT:コンピュータの仕組み、プログラミング、ネットワーク?データベースなど)、データサイエンス(DS:統計学、人工知能(AI)、IoT?ビッグデータなど)、医療健康の基礎、医療情報システム学、医療経営学?医療精度など幅広い分野を総合的に学修し、卒業後、データ?AI時代をリードし、社会イノベーションを推進する人材になることを目指します。
■ 診療情報管理学専攻とは
学科の必修科目に加え、「診療情報管理士(HIM)」に関する専門科目を学び、「診療情報管理士」の認定試験に関する受験資格を修得し、資格取得を目指します。この資格は、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)と医療研修推進財団が認定する資格で、本学科は「受験指定校」です。この専攻では、医療の質を向上させるために、電子カルテに記入された患者様の問診結果、症状、病歴、検査データ?投薬記録などの文字、数値、画像などの種々のデータの解析や医事会計の分析を通じて、病院の経営を支援する極めて重要な役割を担う人材になることを目指します。
診療情報管理士
院内に張り巡らされた
医療情報ネットワークの管理運営を
支えるチーム医療の大黒柱。
伊藤 蓮二さん
三重県立四日市西高等学校出身
医用工学部
医療健康データサイエンス学科 4年
医療?情報の2つの分野を
意欲的に学べる環境で、自分の武器と
選択肢を増やすことができます!将来進む道の幅を広げておきたかったので、情報系が学べる大学の中でも医療の分野も同時に学べ、資格も取得できる点に魅力を感じこの大学を選びました。2年次の秋にITパスポートを取得し、現在は医療情報技師の資格取得や基本情報技術者試験に向けて勉強しています。授業では先生が重要な部分を強調してくださるので的を絞った復習がしやすいです。ITパスポート取得時は出題傾向だけでなく、どの時期の受験がおすすめかなど細かい部分までバックアップしてくださいました。
印象的だったのは1年次、2年次にあったプログラミングを学ぶ授業です。パソコンで「コード」と呼ばれる命令を入力してプログラムを作成します。最初は思い通りにいかず、はがゆい思いもしましたが友人と相談しながらトライ&エラーを繰り返し、実践的な力が身についたと思います。思い通りに動いた時はとても嬉しかったです。医療分野の授業も、人体の構造など基礎の部分から幅広く学ぶことができます。覚えることが多くテスト勉強は大変ですが、その分とてもやりがいがあります。これからも両方の分野を意欲的に学び、資格を取っていきたいです。
2つの分野の武器を持っていると、将来の選択肢も増やせます。今は情報通信関連の企業への就職を考えていますが、転職など就職後の選択肢も増やしておくことができると思います。また、この学科は将来どんな道に進みたいかまだ具体的に決まっていない人でも、自分が興味を持てる分野や得意な分野を見つけられる素晴らしい場所だと思います。